私たち弁天地域は「東南海・南海地震津波における大阪港で想定されている被害」に関連し、『弁天埠頭の係留台船問題(詳細は下記ページに掲載)』を施設管理責任者等の各機関へ、早急に地域住民の不安を払拭するよう改善を求め続けて参りました。
その結果、10月22日に大阪港湾区域の管理等を担当する大阪市港湾局の井元海務課長より、私たちに対し「弁天埠頭係留台船の撤去移転」について説明がありました。
これは現状弁天埠頭で放置されている人命に係る社会問題を、平成30年10月4日大阪市会公営・準公営企業会計決算特別委員会において德田勝委員の質疑『弁天埠頭の台船の係留について』で、私たちが危惧し続ける”切迫する東南海・南海地震津波、大阪港に想定される被害”と、この度の台風21号(9月4日)高潮被害(弁天埠頭では巨大な鉄の台船5台が防潮堤に乗り上げるという被害があり、9月19日に解消)によって、そもそも台船係留場所の背後(隣接)に住宅地域があることを問題視し、委員会において住民の安心・安全の観点から住宅地が隣接しない移転先の確保を再考するよう促しました。
それを受けて大阪市港湾局の井元海務課長が答弁に立ち、台風21号被害以降に平成8年より弁天埠頭に係留している台船の移転先を再考し、大阪南港 I 岸壁を候補地として、今後台船管理組合と協議をしながら台船の移転を図るとの方針を説明しました。
このような経緯をもって、施設管理責任者の大阪市港湾局が報告及び説明に来られた次第です。
私たちは弁天埠頭係留台船を間近に臨む弁天第3コーポや地域住民のみならず、弁天地域や延いては港区の問題として、早急に対策を講じるよう施設管理責任者等の各機関へ改善を求めてまいりましたが、ここに『台船問題』解決に着手されたことを大いに評価し今後の推移を見守って行きます。
 
 
   
  【朝日新聞DIGITAL】 9/4 大阪湾内で台船やコンテナの流出記事がインターネット上に!
大阪海上保安監部は4日、台風21号の影響で、大阪湾内で少なくとも数十隻の台船が流出したと発表した。うち数隻には人が乗っているという。
台船が流出したのは阪神港大阪区第3区大正内港や尻無川の河口付近など。
クレーン台船や大量のコンテナが流れ出しているとの通報も寄せられているという。
 
上記の朝日新聞だけでなく、多くのメディアがこの状況を報道している。
私たちは現状弁天埠頭で放置されている人命に係る社会問題を、『切迫する東南海・南海地震津波 大阪港に襲来する津波と想定されている被害』の大阪市策定の地震・津波アクションプラン資料とともに以下に掲載しておりますが、東日本大震災における甚大な津波被害の記憶も残るなか、この度の台風21号の暴風高潮による係留台船が堤防に乗り上げる状況を目の当たりにして、「台風でこの被害なら、大型地震の津波が押し寄せた時に、どれ程の惨事になるのか…」黒々とした弁天埠頭係留台船を臨む弁天第3コーポや地域住民の不安が聞こえてきます。
施設管理責任者の各機関はこの事態を真摯に受けとめ、私達が下記に要望する件について、早急に対策を講じることを切に願うものです。
弁天地域延いては港区全体の問題解決のために、各関係機関との協議には積極的に対応する所存です。
 

 
  大阪港で想定される津波被害  ※大阪市「大阪港地震・津波対策アクションプラン」より抜粋
(1)切迫する東南海・南海地震津波    
海溝型地震により生じる大津波は、概ね100~150 年の間隔で来襲しています。
東南海・南海地震は近い将来、確実に発生すると考えられています。    
(2)大阪港に襲来する津波と想定されている被害     
東南海・南海地震津波の第1波は、地震発生後、約2時間で大阪港に到達し、津波の高さは最大約2.9m(木津川水門付近)、港内の流速は最大約5.5m/s(南防波堤)と想定されています。
この津波の引き波・遡上によって、航行船舶の航路逸脱・座礁や上屋・倉庫への浸水、貨物・コンテナの漂流などの被害が想定されています。
さらに、これらの被害に伴う産業機能への影響等が懸念されます。
大阪港においては、津波の第1波が最大津波高さと想定されていますが、第1波よりも第2波、第3波が大きくなることも考えられ、また、中央防災会議においては、津波は6時間以上継続することもあり得るとされていますので、注意が必要です。
     
 


  

弁天埠頭は、関西汽船、加藤汽船の四国・九州への発着埠頭として長年に亘り多くの方が利用し、地域も発展してきました。
近年はその発着埠頭としての役目も南港へと移り、人々の流れもなくなり、施設だけが長年さらされていた状況です。
ところが、最近になって加藤汽船の跡地が売却され平地となり、そこからは水面が臨め、係留する数多くの台船が見て取れます。
地震で津波が来たら台船が堤防を乗り越えてくるのではと、常々地域の方々は不安に感じてきました。
そこに今度は関西汽船の跡地が売却され平地となり、台船への防波堤の役目を担っていた施設が消えました。
隣接する住民の不安は一層増して行くばかりです。

そこで私たち3名(※)は弁天地域を代表して、この『弁天埠頭の係留台船』が抱える問題を、広く市民に周知するべくここに掲載いたします。
※ 港区弁天連合地域振興町会会長 上田哲夫  弁天5・6丁目町会長 宮本公男  弁天第3コーポ町会長 木村重治

1.係留する数多くの台船が原因となり、切迫する東南海・南海地震の津波に弁天の埠頭が耐えられるのか!?
2.岸壁が本当に安全な高さを保っているのか!?
3.多数の台船が、なぜ住宅と隣接するこの岸壁につながれているのか!?
4.津波が来襲する時、本当に安全なのか!?

大阪港における防潮堤の整備高は、東南海・南海地震津波による最大津波高さを確保しています。また、大阪港の港湾構造物は、東南海・南海地震の揺れ(震度5~6)に対する耐震性が確保されているため、地震動による壊滅的な被害は発生しないものとの見解は聞いています。
ただ住宅地に隣接する岸壁に、日々数多くの係留される台船を目の当たりにしている住民が、その見解に納得できるでしょうか!?
災害時に想定する台船が及ぼす被害について、弁天埠頭を管理する行政や台船事業者やその管理組合等が責任を負えますか?
天災だからと云って片付けられる問題ではありません、正しく『これは人災です』

上記の大阪市が策定した「大阪港地震・津波対策のアクションプラン」の策定目的は、東南海・南海地震津波に対して想定される直接・間接被害の低減を目指し、関係行政機関港湾関係事業者及び地域住民が協働して総合的かつ重点的に取り組む対策をとりまとめ、臨海部における防災・減災対策の実効性を高め、防災意識の向上や港湾機能の早期復旧を図ることを目的としています。
これは東南海・南海地震津波に対する大阪港の緊急の課題への対策を示した総合的かつ戦略的なプランであり、その策定目的に地域住民との協働を謳う以上、管理・関係行政機関、港湾及び台船事業者等は速やかに地域住民との協議につき、津波対策の実施方針として、台船問題を含めた弁天埠頭の『減災目標』を設定されることを強く望みます。
 
日々人命に係る問題
【画像】は弁天埠頭に係留されている台船で遊ぶ子ども達の様子を、直線にして約90m離れた弁天第3コーポの入居者が撮影されたものです。
とても危険な行為で助けに行く暇もなく、以前には別の子どもが水に落ちる事故もあったと聞いています。
平日は弁天埠頭を管理する大阪市港湾局が監視しているようですが、これは震災時に想定される津波や高波の被害だけではなく、日常の安全管理・安全対策を行う義務がある行政や台船事業者で組織する管理組合等にとっても人命に係る重大な案件であるはずです。
右端の【画像】は関西汽船の跡地が売却され平地になったもので、水に浮かぶ30隻以上の台船が道路を挟んで住宅の窓から臨める状況です。
いつの時か津波が台船を押し上げ堤防を乗り越え押し寄せる悪夢と、住民は日々その不安と隣り合わせに生活をしなければなりません。
台船が港湾工事や港内の貨物輸送において重要な役割を果たすものであっても、住宅地と隣接する埠頭が適切な係留場所などとは、弁天地域の住民として決して看過できるものではありません。
人命に係る案件であることから、関係管理者の早急な対策を講じられることを強く要求するものです。